山本内科医院

内科,胃腸内科,消化器内科
〒739-0041
広島県東広島市西条町寺家3228-2
 

診察します(2)

診察します(2)

 「身体所見の観察(いわゆる内科診察)」はとても奥が深く、一生かかっても完ぺきにこなせるようにはならないと思っています(聴診などは、こちらの聴力も落ちてきますし…笑)。
 診察において私は、「見る・聞く・触る」部位は基本素肌を露出してもらいます。服の上から皮膚の色などの状態は当然見えませんし、布ずれする音ばかり聞こえる服の上からの聴診は有りえません。腹痛におけるおなかの緊張なども当然直接触らなければよくわかりません(世の中には透視能力をお持ちの先生いらっしゃるようですが、私は凡人です)。
 ですから、当院では胃の調子が悪く胃の検査(内視鏡検査)を望まれてきた方でもまずおなかを触ります。上部内視鏡も下部内視鏡も日々当たり前に行われている検査ですが、基本リスクのある比較的高侵襲な検査です。視診・触診・聴診のような低侵襲(その検査をして合併症がおこることはまずない)検査とは違うのです。内視鏡検査中ごく稀ですが呼吸や循環の不具合を生じる方もいます。当然問診で患者さんの健康状態の把握には努めてはいるのですが、やはり内視鏡検査・治療といった侵襲的な医療行為をする場合、特に初診の方に対しては、術前診察として胸の聴診やおなかの触診などさせてもらっています。
 話が前後しますが、問診についても一言。昨今健康関連本や健康情報番組…ネットの健康関連情報など多彩で患者さんが、色々予習されてきます。ただ、かなしいことに医学的基礎知識をお持ちでないので正しく理解できているようには思えません。多くは、真偽ごちゃ混ぜで、どこからどこまでが本当の症状なのかもわかりにくいのです(自分の自覚症状に伝聞による情報が交錯して盛られた訴えが多いのです)。
 私がほしいのは、素の情報・一次情報です。問診には手順が有ります。フリーに話してもらってこちらで取捨選択する場合もあれば、こちらから質問形式で聞かせてもらう場合もあります。その時の状況(患者さんのタイプを含む)によって様々ですが、医師が必要な情報を引き出す工夫をします。「自分は、こうだからこういう病気でこれに関して検査してほしい…治療してほしい」という方に、「はい、そうですか」とはなりません。もちろん診察の過程で複数の対処法があって選んでもらうことはありますが、保険医療は基本、医師の診察・診断の下の治療が大原則です(これは公共財ともいえる国民皆保険制度を守るために必要です)。もちろんその提案に乗るか乗らぬか、患者さんに決めてもらうことになります(ほかの医療機関を選ぶこともできる)。
 また、私は自分の能力を過大評価しないので自分より適材者(人のみならず設備も含め)があると考え(時間的・空間的に)可能であればそちらを勧めることもあります(裏返せば色々な専門科や専門施設が有るのはそのためです)。日本の医療の素晴らしさの一つに「医療機関へのフリーアクセス」という環境が有ることです。

2015-07-13 20:46:00

日常診療,患者,祖語